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改正会社法(平成26年6月20日成立)の主な内容および企業経営に与える影響

4、社外取締役・社外監査役の要件厳格化、社外取締役設置推進措置

社外取締役・社外監査役の要件厳格化、社外取締役設置推進措置

社外役員(社外取締役、社外監査役)は、社内の指揮命令関係の影響を受けない立場で発言することで、経営を健全に維持する役割が期待されています。そのため資格要件として会社関係者でないことが要求されています。
今回の改正では、社外役員になれない人的範囲が拡げられ、これまでより一層社外性が求められることになります。しかしその一方で、過去に会社関係者となったらその後いつまで経っても社外役員となれないとするのも不合理なので、期間制限も設けられました(改正会社法2条15号、16号)。
また、社外取締役に経営健全化の役割を期待する考えが強いことから、公開会社で、かつ大会社である上場企業等の監査役会設置会社においては、社外取締役を置いていない場合、社外取締役を置くことが相当でない理由を株主総会で説明する義務が課されました(改正会社法327条の2)。
公開会社とは、株式の全部又は一部に譲渡制限を設けていない会社であり、大会社とは、資本の額が5億円以上又は負債の額が200億円以上の会社です。

具体的な社外役員資格要件の改正内容は次のとおりです。
【社外取締役】
現行会社法は、資格要件として、
(1)当該会社又はその子会社の「業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人」(以下「業務執行取締役等」)でなく、かつ、
(2)過去に当該会社又はその子会社の業務執行取締役等となったことがないものとしています(現行会社法2条15号)。
 今回の改正では、この(1)に、
・当該会社の経営を支配している個人(以下「支配個人」)、又は親会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと、
・親会社の子会社(当該会社を除く)(以下「兄弟会社」)の業務執行取締役等でないこと、
・当該会社の取締役、支配人、その他の重要な使用人又は支配個人の配偶者、二親等内の親族(親子、兄弟姉妹等)ではないこと、
が加わりました。
他方、(2)については期間制限が設けられるなどし、社外役員に就任する前10年以内に、当該会社又はその子会社の取締役、会計参与、執行役、支配人その他の使用人であったことがないこととされました。これは資格要件を緩める内容です。

【社外監査役】
社外監査役についても、社外取締役と同様の改正がなされました。
現行会社法では、過去に当該会社又はその子会社の「取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人」(以下「取締役等」)となったことがないものとされています(現行会社法2条16号)。それが改正によって次の要件に変更されました。
・社外監査役就任の前10年間に当該会社又はその子会社の取締役等でないこと、
・当該会社を支配する個人、又は親会社の取締役、監査役、執行役、支配人その他の使用人でないこと、
・当該会社の兄弟会社の業務執行取締役等でないこと、
・当該会社の取締役、支配人その他の重要な使用人又は支配個人の配偶者、二親等内の親族でないこと。

今回の改正で親会社関係者が資格要件に加わった理由は、親子会社間で利益相反が生じた場合に社外役員としての実効的な役割を期待できないと考えられたからです。親会社の社外監査役も、子会社の社外監査役になれないことになります。
また、親族要件によって社外性が否定される使用人は、「重要な使用人」に限定されています。これは、全ての使用人を対象とすると、社外役員の候補者の近親者に使用人がいないことを確認するのが難しいと考えられたからです。今回の改正によって、上場企業には社外取締役を設置することが事実上強く推進されることになります。また、社外役員の要件厳格化に伴い、社外役員就任時のチェックをこれまで以上に念入りに行うことが求められます。

(平成26年11月6日)

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