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これからの法改正の動き

特許紛争の早期解決に向け新ADR制度創設へ

特許庁は、企業の知財紛争を早期に解決するため、新たなADR(裁判外紛争解決手続き)制度を整備する方針です。

●特許の件数が急増

IT技術の普及に伴って、1製品当りの特許件数が急増しています。たとえば、一般のプリンタでは約3000件、高級デジタルカメラに関しては1万件以上の特許が使用されているといわれています。
関連する特許を有する権利者も多様化し、以下のような弊害も危惧されています。

・ライセンス交渉に要する手間と労力が増大
・他社の権利を知らないうちに侵害してしまう可能性が増大
・知財紛争の可能性が増大

●パテント・トロールへの対策

米国では最近、第三者から特許を買い集め、自らはその特許を使用せず、使用者から訴訟提起を示唆しつつ法外なライセンス料の支払いを求める悪質な「パテント・トロール」が社会問題化しています。
特に、情報通信関連の標準必須特許(標準規格に含まれる特許)の数が急増しており、標準必須特許を取得したパテント・トロールに攻撃されるリスクは日本企業でも高まっています。

●知財紛争の迅速・簡便な解決が求められ

そこで特許庁では、ライセンス交渉や紛争処理のコストを小さくするための対応策が必要としています。具体的には、行政が紛争当事者の間に入って適切なライセンス料を決めるADR制度(標準必須特許裁定)の導入を検討しています。
また、中小企業では、経営資源の制約から、知財侵害に対抗して訴訟を提起することがむずかしく、訴訟提起を躊躇する傾向があります。
そこで、紛争当事者間でライセンスに関する協議が整わない場合や権利侵害をめぐる紛争が起きた場合等に調整を行なうADR制度(あっせん)について、既存の制度との関係を整理のうえ検討します。
新たな制度については専門の委員会を設置して具体的な議論を進め、今年度中に結論を出す方針です。2018年度中には特許法の改正を目指すとしています。

注目したい法改正の動向

  • 消火器を全飲食店へ義務付け
  • 総務省消防庁は、昨年12月に発生した新潟県糸魚川市での大火を受け、すべての飲食店での消火器の設置を義務付ける方針です。
    現在の消防法施行規則では、延べ面積150平方メートル以上の飲食店で消火器の設置が義務付けられていますが、この基準を撤廃します。
  • 遺伝子組換え食品の表示基準を検討
  • 消費者庁の有識者検討会では、遺伝子組換え食品の表示基準についての検討をスタートさせました。
    現在は、食品表示法で、大豆、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤの8つの農産物と、これらを原材料とする33の加工食品群等が遺伝子組換え表示の対象となっています。
    組み換えられたDNAやこれによって生じたタンパク質が検出できない加工食品(大豆油、しょうゆ、コーン油など)の場合や、遺伝子組換え作物の混入率が5%未満である場合は、「遺伝子組換えでない」と表示することができます。
    基準となる混入率は、EUでは0.9%、オーストラリア・ニュージーランドでは1%、韓国では3%となっており、諸外国との比較から混入率についても検討される見通しです。
    消費者庁としては、今年度中に議論をとりまとめ、食品表示法の見直しにつなげたいとしています。
  • ディーゼル車の検査基準を強化へ
  • 国土交通省と環境省は、2015年に発覚した独フォルクスワーゲン社の排ガス不正問題を受け、排ガス検査に路上走行検査を導入する方針です。
    現在の排ガス検査は、窒素酸化物(NOx)の排出量を測定する室内の台上試験だけを実施していますが、不正ソフトの使用等により、試験時に排出ガスレベルを下げて合格することが懸念されていました。
    そこで、台上試験に加えて路上走行検査を実施し、排出ガスの排出状況について調査を行なうこととされました。
    国交省は今年度中にも道路運送車両法に基づく保安基準を改正する予定で、2022年以降に生産される新型車に路上走行検査を適用する方針です。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・エヌ・ジェイ出版販売

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