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2013年の労働法関連の注目トピックはこれだ!

今後改正が見込まれる事項

(1)労働安全衛生法

職場での労働者の安全と健康確保や、快適な職場環境の促進を目的とする労働安全衛生法の改正が検討されています。
この改正は、メンタルヘルス対策の強化、受動喫煙防止対策の強化等に関するものです。
2011年12月に国会に改正法案が提出され、2012年11月の衆議院解散まで継続審議されていました。今後も国会に改正法が提出され審議されていくことが見込まれます。
メンタルヘルス対策として改正が検討されている主な内容は次のようなものです。

  • 〔1〕事業者に医師または保健師による労働者の精神的健康の状況把握のための検査を行なうことを義務づけること
  • 〔2〕労働者に〔1〕の検査を受けることを義務づけること
  • 〔3〕検査結果は、医師または保健師から労働者に通知され、労働者の同意を得ないで事業者に提供することはできないとすること
  • 〔4〕労働者が医師による面接指導の申出をしたときは、その実施を事業者に義務づけること
  • 〔5〕面接指導の申出をしたことを理由として労働者に不利益な取扱いをすることはできないこと
  • 〔6〕事業者に対し、医師の意見を聴いて必要に応じ就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少その他の措置を講じるよう義務づけること

そのほか、受動喫煙防止対策強化としては、事業者に対し、喫煙目的で置かれた部屋を除き、喫煙禁止措置を義務づけることが見込まれます。
ただし、当分の間、飲食店その他の喫煙禁止措置が困難な職場(たとえば、ホテル・旅館などの宿泊施設が想定されています)については、受動喫煙の程度を低減させるため、一定の濃度または換気の基準を守ることで足りるとする措置が設けられる予定です。

(2)パートタイム労働法

「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(パートタイム労働法)も改正が見込まれています。主な改正内容は次のようなものです。

  • 〔1〕職務内容が通常労働者と同一で人材活用の仕組みや運用なども通常の労働者と同一のパートタイム労働者には、賃金の決定をはじめ教育訓練の実施、福利厚生施設の利用、その他のすべての待遇について、パートタイム労働者であることを理由とする差別的取扱いを禁止すること
  • 〔2〕現行法では通常労働者との均衡確保努力義務が課されている「賃金」から一律に除かれている通勤手当を、通常労働者と均衡を図るべきかどうかを個別に判断し、一律に除くことはしないようにすること
(3)最低賃金と生活保護水準との関係

最低賃金法に基づく最低賃金には次の2つがあります。

  • 〔1〕地域別最低賃金(都道府県ごとに定められる)
  • 〔2〕産業別最低賃金(特定の産業を対象に定められる)

地域別最低賃金と産業別最低賃金が同時に適用される場合は、金額の高いほうが適用されます。
この最低賃金に関し、これまで地域別最低賃金額が生活保護水準を下回っていた11都道府県(北海道、青森、宮城、埼玉、千葉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島)のうち、青森、埼玉、千葉、京都、兵庫の5府県で、2012年度の地方最低賃金審議会の答申で地域別最低賃金が生活保護水準を上回るようになりました。
産業別最低賃金についても、今後いくつかの業種での改正が予定されています。

以上のように労働法関係の改正の幅は広く、中小企業に大きな影響を与えるものとなっています。
総務・法務担当者は、これら改正に目を配り、適切な対応を検討していくことが必要となります。

≪ (3)障害者雇用促進法

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